巣/人生の意味/植毛

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シンジケート感想175・176

終バスに二人は眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて

 

 『<降りますランプ>』が特徴で中心。バスで降りる時に鳴らし、止まってもらうために席の隣についているボタンとランプググると、実際は「止まります」で、降りる客が止まることを表明するとともに、運転手がほかの乗客に向けて止まることを示す役割もある。

 ここでは『終バス』『眠る』の語から遅い時間、次は終点で他に乗客はいない、自然にランプが付くといったあたりの推測ができる。

 時間がゆったり流れているような優しさを感じるが、この歌にいることが全く描写されていないながらも確実に存在するものに、運転手があり、彼への信頼がこの歌の前提として存在している。また、本当に乗客がほかにいないかも明言されているわけではない。そのあたりはホラーめいたものがなくもない。

 

 

 

かぶりを振ってただ泣くばかり船よりも海をみたがる子供のように

 

 子供っぽい理由で泣いているのであろうということまではわかるが、比喩になる部分に個性となる場所などの情報があり、何があったのか全く分からない。実際に海の前にいるからそういう比喩になったのか、本当にしょうもない理由で泣いているのか。