シンジケート感想171・172
シャボン玉鼻で壊して俺以外みんな馬鹿だと思う水曜
『俺以外みんな馬鹿だと思う』はそれなりに一般性がある感情。時間を表す語はこれまで季節イメージに近いものが多かったような気がする。平日の真ん中である水曜。
『シャボン玉鼻で壊して』がこの歌の特徴的な部分になる。こういったとき、実際には地面や缶などのごみをけったり、金網を揺らしたりするのが現実味のある行動だが、詩的フィクションとしてここでは『シャボン玉』を『鼻』で壊している。自然に壊れてしまうシャボン玉をわざわざ鼻という暴力装置として用いりづらい場所で壊すことをイメージすることで、気を晴らそうとしているのだ。
自然には存在していないのでイメージ上での話だろう。自分でシャボン玉吹いていたり、人に頼んでいるとしたらシュールだ。
雨の最初のひとつぶを贈る起きぬけは声が全然でないお前に
起きぬけは起きてすぐの状態のこと。文脈で大体わかるが、あまり日常的に使わない語。
十五・五・七・七。前半部分は定型からずれているが、後半は定型。
寝耳に水をおしゃれ目に言ってみた的な?定型からかなりずれた前半部でよくわからないものを『贈る』と言い、後半で定型でその理由を示す。