シンジケート感想153・154
「愚か者の惑星(ほし)からきたの?」ウオーターグリースに浮かぶ気泡みつめて
ウオーターグリースは髪のセット剤。
誰への問いかけか。気泡に自分の顔が映っているのだろうか。『愚か者の惑星』は独特の言い回しである。あまりの異質さに、自分と同族ではないという予感?気泡の球場に移った顔が、宇宙人めいて見えた?
『ウオーターグリース』は文字数が多く、長音が二つあるため、短歌としてのリズムにずれができる。
眠れない夜はバケツ持ってオレンジのブルドーザーを洗いにゆこう
二句目の『夜はバケツもって』は九音で、リズムにずれがある。
『オレンジのブルドーザー』は特に非現実的な存在ではない。バケツを持っていくというのも常識通りの行動。
『眠れない夜』は暗いイメージだが、『バケツ』『オレンジ』『(動かず、洗われるものとしての)ブルドーザー』と言った連続のカタカナは明るいイメージ。『洗いにゆこう』も爽やかなしめくくりである。