巣/人生の意味/植毛

短歌について/その他サブカル色々/男、無職、誕生年1994/うたのわで利己翔/ツイッター https://twitter.com/kakeruuriko?lang=ja

シンジケート感想139・140

 

天津甘栗

 

 

 終わりに近づいていて、夏→風→秋とテーマになっている。

 

 

 

秋になれば秋が好きよと爪先でしずかにト音記号を描く

 

 『秋が好きよ』と言いながらも『爪先でしずかにト音記号を描く』という話半分、退屈という様子は、特段嫌いではないけれど、という程度の『好き』だろう。『ト音記号』を描くには割と注意を払ったりしないと変になるので、この女性は普段から退屈な時にはト音記号を描いているだろうなどと想像できる。

 『秋になれば』も投げやりさを示すための語で、『秋』の繰り返しがかえって熱がこもっていないという効果を出している。

 

 

秋の始まりは動物病院の看護師(ナース)とグレートデンのくちづけ

 

 グレートデンは犬の一種。犬のなかでも最大級の体格と温和な性格が特徴。

 『くちづけ』と言っても『動物病院の看護師とグレートデン』のもので、性的な要素は限りなく低い。回復や健康を祈るとかそういった意味合いだろう。

 それが作中主体にとってなぜ『秋の始まり』となったのか。このような感受をするための下地となる状態であったのだろうが、夏の終わりがはっきり見えていなかっただとか、いろいろと想像はできる。

 『あきのはじ/まりはどうぶつ/びょういんの』と、一句目から三句目までで意味ト音の切れ目の不一致が発生している。虚構性の象徴?