シンジケート感想135・136
パレットの穴から出てる親指に触りたいのと風の岸辺で
『風』は前の首とかぶっている。『触りたいの』は話し言葉である。絵を描いている恋人(?)にちょっかいをかけた、という内容だろう。
『パレット』『風の岸辺』という明るさを感じる語、『親指に触りたい』という初々しい欲求から、爽やかな首であるという感想。
永遠をみた眸の色か洗われて洗濯籠に運ばれる犬
眸は音読みでぼう、訓読みでひとみ。
「えいえんを/みたぼうのいろか」と「えいえんをみた/ひとみのいろか」のどちらか断言できるわけではないが、わざわざ『眸』の漢字を使っていることと、より定型に近いことから前者であると考える。
『洗われて』、干される犬はぬいぐるみなどであると思う。洗濯し、『洗濯籠』を使用されるというのは、生き物の洗い方として適切ではない。その『眸の色』から『永遠』を感じ取ったらしいが、それはなぜなのか。
「ぬいぐるみの眸はいつ見ても同じ色をしているから」というのが私なりの解釈であるが、あまりに安直な答えだと自分でも思う。