巣/人生の意味/植毛

短歌について/その他サブカル色々/男、無職、誕生年1994/うたのわで斧寺0

シンジケート感想129・130

シャンデリア引き降ろされて洗われる夕べおろかな約束ひとつ

 

 シャンデリアは照明器具の一種で、装飾的な意味合いが大きい。掃除の際には引き降ろして洗う。業者に任せることも多いらしい。

 『洗われる夕べ/おろかな約束』『洗われる/夕べおろかな約束』のどちらで切るかによって意味が少し異なるが、三句目、四句目といった音の切れ目から後者だとする。夕べは昨夜という意味合いになり、昨夜に約束をした、ということになる。シャンデリアを洗いながら、もしくは清掃の様子を眺めながら昨夜にした約束は愚かだった、と考えている。

 『シャンデリア』を「引き降ろして洗う」ではなく『引き降ろされて洗われる』と、シャンデリア視点からの表現になっている。身を任せるままのシャンデリアに自己を投影したのかもしれない。

 シャンデリアが基本的に所得の高い人間が所有するものだというのもあり、おしゃれな雰囲気がある。

 

 

 

象に飲ませる林檎の匂いのバリウムが桶いっぱいに揺れる月の夜

 

 バリウムは元素の名前で、純粋なバリウムは金属だが、飲むバリウムというと、人間ドックなどのレントゲン検査の際に造影剤として使われる硫酸バリウムのことを指していると思われる。検査でヒトの飲む量は150㏄ほどらしい。

 『象に飲ませる』は七音で重たく始まるが、その後は大きいリズムのずれはない。

 内容は突飛な設定をそのまま描写したようだ。『桶いっぱい』に入れられているのは象のえさとなる林檎ではなく『象に飲ませる林檎の匂いのバリウム』。『揺れる月の夜』と綺麗げに見せているが気味の悪い成分であり不気味さが出ている。

 『桶いっぱい』の無邪気な感じがいい。