シンジケート感想113・114
「ボーカルは顔ばっかりでマフィアならゴッドファーザー級クラスの音痴」
マフィアはイタリアの暴力組織。ゴッドファーザーはマフィアなどのボスの尊称、呼称。もともとはカトリックによる洗礼時の代父。
あまり語り掛けとしてのことばには見えず、普通の短歌のように見えるが、語り掛けとしてならばボーカルへの愚痴ということだろう。『ゴッドファーザー』と『音痴』の間の関連性はなさそうだが、権力をいいことに歌への批判をできない状態ということだろうか。
『ゴッドファーザー』の時点で『マフィア』であることはほぼ明らかにもかかわらず両方の言葉があるため情報量が少ない。
「クローバーが摘まれるように眠りかけた時にどこかがピクッとしない?」
『クローバーが摘まれるように』が『眠りかけた』と『どこかがピクッと』のどちらにかかるのかややこしいが、後者にかかるのだろう。クローバーを根元から引き抜くときの葉の揺れを『ピクッと』に当てはめていると取った。
個人的に実際的には共感しないのだが、『クローバーが摘まれるように』というあやふやな例えを理解しようとすることで、どのようなことを言っているのかを読み取ることはできる。わかりにくだろうという不安が作中主体の意識にもあることをクエスチョンマークによって示している。