巣/人生の意味/植毛

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シンジケート感想111・112

「おじさん人形カーネル・サンダース相手にどもっているようじゃパパにはとても会わせられない」

 

 カーネル・サンダースはケンタッキー・フライド・チキンの創業者、ハーランド・デーヴィッド・サンダースの通称。カーネルはアメリカのケンタッキー州に貢献したものに与えられるケンタッキー・カーネルという称号に由来する。ケンタッキー・フライド・チキンの店舗には彼の人形が立っていることが多い。

 『パパにはとても会わせられない』は結婚を考えるなどの事情で恋人を親に合わせることができないということだろう。父親のことをパパと呼ぶのは女性らしいという気がしたので作中主体が女性、会話相手が男性と推測。

 『おじさん人形カーネル・サンダース』は大胆に字余りしているうえにフリガナで無理やり大量の情報を詰めている。あの人形はデカい癖に大体どこの店舗にもあり、本物の老眼鏡をかけているなど割とリアルで、どうしてもあれだと示したかったのだろうか。

 

 

 

 

「唾と唾混ぜたい?夜のガレージのジャッキで上げた車の下で」

 

 ジャッキは物の下において、持ち上げ、支える機械。車のタイヤ交換などに使う。

 『唾と唾混ぜたい?』はキスのことだろう。その表現から、じっくりと時間をかけて行うつもりなのだろうという印象を受ける。クエスチョンマークが二句目の真ん中にあるが、音では切れず五・七・五・七・七で読めばいいだろう。これも限られた音内で情報量を増やそうとするための手段であり、会話文らしさもある表現。

 『夜のガレージのジャッキで上げた車の下』は危ない場所であり、そのような場所で時間をかけたキスを行うことを提案するという危険味が特徴の短歌。