シンジケート感想84・85
すごく てぬき
憎まれているのは俺か雪のなか湯気立てて血の小便小僧
小便小僧は像で、血は通っていないし、憎みなどもしないが、『俺』はそういう感情を受け取ったということで、何らかのうしろめたさがあって、小便小僧を見てそれが蘇ってきたという状況。作中には『俺』自身の心情等の描写は全くない。雪と湯気で対比。
『俺か』の『か』がorの意味に見えた。実際は納得などの気持ちの語尾だということは音読すればすぐに気が付くが、黙読だと判別しづらい。
蜂をのんで転がり回る犬よこの口と口とがぶつかる春を
『口と口とがぶつかる』があまりわからない、蜂の口と犬の口?
『蜂をのんで』は六音だが、『を』を抜けば五音なのに、なぜ抜かなかったのかというのもある。
『転がる』『犬』という語は15首目の短歌でも共通。