シンジケート感想72・73
マジシャンが去った後には点々と宙に浮かんでいる女たち
漫画チックな短歌。場面として描きやすいが心情描写は特になく、作中主体は不明確。おそらく観客視点だろう。それでいてあいまいな部分が多く、女の数は、どのような表情で、美人か、マジシャンの年齢は、去る前の芸の内容は、などと想像力を働かせる余地が多い。心情についてもいくらでも想像の余地がある。
人間を小道具ふうに使うという実際にあるかないかの境界はややあいまい、マジシャンという設定も幻想感がある。
明るさ、暗さも半々程度で、大きくブレはない感じ。
裏切りに指輪よ描け頬を打つバックハンドの軌跡の虹
バックハンドはテニスなどでラケットを持つ手の逆側に来たボールを打つこと、または野球でボールをグラブを持たない手で取ること。
『裏切り』の報復のため、『指輪』で『頬を打つ』ための『(バックハンドの軌跡)の虹』を『描』く。
『指輪』は贈り物としてもらったものだったのだろうか。仲たがいしてその指輪を使って頬を打つ。怒っているのだろう。『虹』なのだし致命的なほどに起こっているわけではなさそうだが手加減はしてないという感。
『バックハンドの軌跡』が何を言っているのかよくわからない。